魚のいない海

〜次世代に海を引き継ぐために〜

「海から魚が消える・・・」

日本人は世界でも魚をよく食べる国民です。私たちの国はその需要を支えるため、国内生産と同量の年間約600万トンもの魚を国外から輸入し、世界約40カ国と漁業協定を結ぶ事によって遠く離れた海から魚資源を獲得しています。

しかし、その世界中の魚資源の現状について私たちはどのくらい理解しているのでしょうか?もし本当に世界で魚が減っているのであれば、それは私たち日本人にもその責任があるのではないでしょうか?
私たち日本人を含め世界の人々が、次世代にこの資源を引き継ぐ事が出来ないとしたら、これは重大な問題です。

日本財団は、『次世代に海を引き継ぐ』事業の一環として、2009年よりシンポジウム、セミナーなどを通してこの魚資源の問題に関わってきました。

国境のない海において魚の資源管理は一国だけの努力ではなく、国際的な連携による取り組みが求められています。

その中で魚の消費大国に住む私たちが世界にアンテナを張り巡らせて、正しく現状を理解することが問題解決の第一歩だと考えています。

魚の問題は国際的な問題であると同時に、一般家庭の食卓を守るという身近な問題でもあります。

海を守り、私たちの食卓を守る。そして次世代に豊かな海を引き継ぐために、食べるべきか、それとも、食べざるべきか。

食べ続けたいなら知っておくべき世界の魚資源の事実を把握していただき、今後、どのような行動をとっていくのかを考える契機となれば幸いです。


日本財団