海賊とのいたちごっこ

日本からも海上自衛官海上保安官が派遣され、国際社会が一丸となって対策にあたっている海賊問題ですが、発生件数は一向に減らない状況が続いています。

(以下、共同通信社「海運水産ニュースより抜粋」)

国際海事局海賊情報センター(クアラルンプール)は2009年に世界で海賊に49隻の船が乗っ取られ、乗組員1052人が人質となったと発表した。

人質数は過去最悪を記録、乗っ取り件数も最悪となった08年と並んだ。
 
海賊事件(未遂も含む)の総数は406件で前年より113件増加し、06年以来3年連続の上昇。

うち日本企業が運航、管理する船の被害は16件だった。
 
被害発生地域ではソマリア沖が217件と突出しており、前年比で約2倍の増加となった。

一方、アデン湾やインド洋での発生も増加を続けている。
 
人質となった乗組員数は前年比で約18%増加。

うち8人が死亡、68人が負傷。船に火を放つなど襲撃の手口は激化する傾向にあるという。
 
事件件数が増加している一方で、乗っ取りが成功するケースは減少しており、同センターは「ソマリア沖での各国海軍による警戒活動が歯止めとして功を奏している」としている。
 
一方で、ソマリア沖海賊対策で、アデン湾で商船の警護にあたる海上自衛隊の派遣部隊指揮官中畑康樹1等海佐が17日、寄港先のアフリカ東部ジブチで取材に応じ「海賊が各国海軍の裏をかいて活動している可能性がある」と、いたちごっこが続く現状を語った。
 
ソマリア周辺では30〜40隻の各国艦艇が警戒しているが、海自によると、昨年12月末現在の海賊被害は215件で08年の111件から倍増。

被害は紅海付近からソマリア東沖まで広がる一方、昨年12月末と今年初めにはアデン湾で商船の乗っ取り事件が相次いだ。
 
中畑1佐は「海賊の活動海域が広がり、取り締まる各国海軍が分散したため、逆にアデン湾が手薄になり、その裏をかかれた可能性がある」と指摘した。

海守より