2010年 寅年

陸上にマグロ工場!?


12/17に「日本人はマグロやカニを食べ続けられるか?」といった記事を掲載しましたが、関連業界も相当の危機感をもっているようで、「陸上にマグロ工場を作る!」といった話もあるほどです。

さて、起死回生の一手となるのでしょうか?

岡山理科大の山本准教授(水産増殖学)が、魚の成長に適した「好適環境水」という特殊な水を使用し、海水を使わずにクロマグロを養殖する研究に取り組んでいます。

実用化されれば、海から離れた内陸部でも低コストで養殖が可能になります。

 
今年からは新設の大型水槽で本格的な成育実験を開始し、乱獲による減少でクロマグロの国際取引禁止が議論される中、山本准教授は「将来的には森に
マグロ工場を作り、危機を救いたい」としています。

 
山本准教授は、海水が含む約60種の元素のうち、魚の成長に適した成分だけを真水に加えた好適環境水を開発しました。

ヒラメやトラフグ、マダイは海水より大きく育ち、味も上々とのことです。

海洋汚染の影響を受けずに養殖できるメリットもあり、実用化に向けた研究が進んでいます。

 
クロマグロの実験は07年夏から始め、体長20センチほどの幼魚が小型水槽で問題なく泳ぐことを確認。

成育実験に不可欠な大型水槽が、10年3月に完成予定です。

 
生後3日目の稚魚には流れがないと沈む特徴があり、泳ぎ続けられず死んでしまうという問題がありましたが、糖を溶かし浮力を高めることで解決されつつあります。

現状ではふ化に失敗するケースもあり、安定的なふ化が課題の一つです。

陸上で、海水も使わずにマグロを育てるマグロ工場構想、成功すれば資源枯渇対策としての効果は絶大でしょうが、個人的には何か違和感も覚えます・・・

海守より